スーパー・チューズデー 正義を売った日

ストーリー

栄えあるアメリカ合衆国大統領の座をめざし、民主党予備選に出馬したマイク・モリス(ジョージ・クルーニー)は、選挙ツアー最大の正念場を迎えようとしていた。ペンシルベニア州知事として政治家の実績を積んだモリスは、ハンサムで弁舌に優れ、カリスマ性も十分。そのうえ清廉潔白な人柄と揺るぎない政治信条で多くの有権者を魅了し、ライバル候補のプルマン上院議員をじわじわと引き離しつつある。来る3月15日のオハイオ州予備選に勝利すれば、その勢いに乗って共和党候補をも打ち破り、ホワイトハウスの主になることはほぼ確実。マスコミも「オハイオを制す者は国を制す!」と煽り立て、いよいよ一週間後に迫ったスーパー・チューズデーの決戦に全米の注目が集まっていた。

モリスの快進撃を支えるのは、ベテランのキャンペーン・マネージャー、ポール・ザラ(フィリップ・シーモア・ホフマン)と二人三脚で選挙参謀の大役を担う広報官スティーヴン・マイヤーズ(ライアン・ゴズリング)だ。弱冠30歳にして誰もがその辣腕ぶりを認めるスティーヴンは、討論会場のモニターの音量や演壇の高さにまで気を配り、大手メディアへの対応はもちろん、ブログや動画サイトの投稿にもくまなく目を光らせる。モリスの絶大な信頼を得ている彼は、今後の政界での輝かしいキャリアが約束されていた。

そんなエネルギッシュに激務をこなすスティーヴンのもとに、プルマン陣営の選挙参謀トム・ダフィ(ポール・ジアマッティ)が父親と偽って電話をかけてくる。極秘の面会を求められ、一度は拒んだスティーヴンだが、何らかの情報提供をちらつかせるダフィの言葉巧みな誘いに負けてしまう。それはデリケートな選挙戦のさなかに、敵対陣営の関係者と接触するのは御法度という禁を犯す行為だった。

「我々の仲間にならないか」。驚いたことにダフィの目的は、スティーヴンを自陣営に引き抜くことだった。国に真の変革をもたらす正義の政治家としてモリスに心酔しているスティーヴンは、その申し出を即座に拒絶。しかしプルマン陣営がスーパー・チューズデーの勝敗の鍵を握る大物議員トンプソン(ジェフリー・ライト)の支持を取りつけたことを示唆され、動揺を隠せない。その夜、スティーヴンは選挙スタッフのインターンである若く美しい女性モリー(エヴァン・レイチェル・ウッド)とホテルで親密な一夜を過ごす。

翌日、遅ればせながらスティーヴンはダフィとの密会の件を上司であるポールに打ち明け、うかつな振る舞いを率直に謝罪するが、何より忠誠心を重んじるポールの怒りは想像以上だった。ふたりの間には決定的な亀裂が生じ、ダフィとの密会はスクープ探しに余念がない新聞記者アイダ(マリサ・トメイ)にも嗅ぎつけられてしまう。圧倒的優勢を見込んでいたスーパー・チューズデーの雲行きも怪しくなり、スティーヴンを取り巻く状況はまたたく間に悪化していった。

さらに追い打ちをかけたのは、モリーの口から発せられたある衝撃的な告白だった。それが明るみに出れば全米を震撼させ、モリスの政治生命そのものが絶たれるほどの一大スキャンダル。そのショックも覚めやらぬうちにポールから首を宣告されたスティーヴンは、プルマン陣営への寝返りを決意するが、態度を豹変させたダフィにすげなく門前払いされてしまう。

かくして孤立無援となり、すべてを失ったスティーヴンは、非情にも自分を切り捨てたモリスとポールへの復讐の道を突き進むのか。そしてスティーヴンのみぞ知るモリスの“スキャンダル”とは、いったい何なのか。怒濤の嵐が吹き荒れるスーパー・チューズデー前夜、正義を売る者たちの最後の壮絶な駆け引きが始まる……!